HEAVEN

―Daily Mail(英)―
ヒンズークシ（クシは山地の意）とカブール川のはざまに無理やり押し込められたようなカブールの町。せわしげなアフガニスタンの首都は、５００万人以上の人口を擁しています。そしてこのうちの２０％、およそ１００万人が町を囲む急な斜面の上に住んでいます。カブール市民の貧困線の割合はこの数字とほぼ同じ、２３％です。

眺めのいい丘の上といった立地は、ほかの国なら大きな価値を持つものの、ここカブールでは定収入の人たちほど高い丘の上に追いやられるのです。下水道には覆いがなく、病原菌でいっぱいの汚水が坂を駆け下ります。

過去１０年の間、国際援助による数十億ドルの復興支援により、カブールの建設業は一時、活気があふれました。カブールの人口は１００万人から５倍の５００万人まで増加、町はそれを支えきれず、斜面に土で作った不法住居が多く建てられました。こうした住居にはほとんどが電気も水道もありません。

しかし町が不法住宅よりも恐れているのは２年後、２０１４年に実施されるいわれているＮＡＴＯ率いる連合軍の撤退です。カブールの不動産業者、アブドゥル・サミ・ミルザもこのことに懸念を抱くひとりです。
「何しろ買い手がいないんだ。みんなどこかに行っちまった。政治情勢だって悪いし買う気持ちにもなれないんだろうね。多くの家持ちがすでにアフガニスタンを後にしている」

ＩＭＦによると、２０１０年度のアフガニスタンのＧＤＰはその９７％を国際援助が占めているということです。