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―朝鮮日報など―
韓国に駐在するリパート米大使（42）が、5日午前7時40分ごろ、刃物をもった男に襲われて負傷しました。

リパート大使は、ソウル世宗文化会館で開かれていた「朝鮮半島の平和と統一、そして韓米関係の発展」という講演会に出席、講演の準備をしていたところ、刃渡り25センチの果物ナイフをもったキム・ギジュン容疑者（55）に顔と左手首など5箇所を刺されました。顎の傷は12センチにも及びましたが命には別状なく、午後には80針の縫合手術を終えたということです。

キム・ギジュン容疑者は、文化運動団体「ウリマダン」の代表で、日本の集団的自衛権の行使や韓米軍事演習の糾弾など、これまでひとりでデモを行ってきた人物だということです。
また2006年には、挺身隊対策協議会とともに集会をひらき、竹島関連で日本政府に謝罪を求める声明を発表、2010年には当時の重家駐韓日本大使に向かってコンクリート片を投げつけ、執行猶予3年の判決を受けていました。

この事件に対し韓国政府は遺憾の意を示すと共に、韓国にとって最も重要な同盟国のアメリカの大使に対して行われたことを深刻に受け止めている旨の声明を出し、中東訪問中の朴槿恵大統領は米国政府とリパート大使の家族に対し謝意を述べ、韓米同盟に対する攻撃だと非難しました。

韓国紙のコメント欄ではキム・ギジュン容疑者を従北分子（北朝鮮を標榜する派閥）だとし、北朝鮮に罪を負わせるコメントが圧倒的で、欧米のメディアもプロの活動家の単独テロと報じていますが「韓国では、北朝鮮や日本との間にある領土や歴史問題に関連して市民団体がデモを行い警察との乱闘となることが一般的（AP）」だという報道もみられました。