HEAVEN

当時、近辺にいた大勢の生徒を誘導していた十九中学の教師、張麗莉(29)は、バスが突進してきたのを見て、進行方向にいた生徒たちを咄嗟に突き飛ばすと、身を投げ出しました。

結果、張麗莉は多発性肋骨骨折、十一腰椎骨折、骨盆骨折、鼻骨骨折、左骨幹骨折などを負う重傷で、両足に至っては壊滅的な状況でした。すぐに病院に搬送されましたが、両足は高位切断の処置がとられ、入院８日目となりますが、意識が戻って呼吸器も外されたものの、これからは合併症の時期に入るため、いまだ予断を許さない状況が続いているといいます。


事故の詳細が報じられると中国全土に感動の渦が広がりました。
中華全国総工会科からは全国五一労働奨章が授与され、共産主義青年団からは青年五四獎章を授与されるなど、己を捨てて人を救った高尚で道徳的な情操を彼女に学ぶべきだとの声があちこちからわき上がりました。

彼女が国語の教師を務めていた十九中学は、校舎の改修中で、中学三年生が第四中学の教室を間借りしていたといます。このため、十九中学では大型バスをたのみ、生徒の送迎に当たらせていました。
今回の事故で、張麗莉ほか５名の生徒が傷を負いましたが、いずれも軽傷だったということです。

張麗莉は２年ほど前から十九中学で担任としてもクラスをまとめ、朝ご飯を食べてこなかった生徒を見つけると、自分のご飯を分け与えてやるほどの優しい人柄だったといわれ、日頃から生徒たちには好かれていたようです。
また、彼女は妊娠２ヶ月でした。事故によりお腹の中の赤ちゃんは流れたということです。
バスの乗務員は逮捕され、拘留されています。