2012.01.04 (Wed)
『異国風情』 中国女大学生北朝鮮留学実録

―天涯社区―
【前説】
大学に入学して最初の長期休暇。高校時代の学友や先生と久しぶりに再会した私は、そこで出た北朝鮮の大学に留学してみないかという冗談みたいな話をおよそ真に受けていなかった。
だって北朝鮮だよ。中国には多くの国際交流プロジェクトがあって、学生らは望めば、見聞を広めるために異なる文化、異なる宗教の国々の人々と交流することが奨められる。異国の地で学生間に芽生えた友情は、長い時間で見れば訪問国との友好にも発展するだろう。
私は笑って「機会があれば」と返事をした。しかしまさかそれが現実になるとは思わなかった。北朝鮮の国内情勢には詳しくない。予備知識は、皆と同じようにネットにアップされたごく短い動画で辛うじて知る程度のものだ。世界各国が善きにつけ悪しきにつけ、日々接触を保っているこの世の中にあって頑なに孤立している隣国は、中国にとっての「友好国」であるがゆえ、ほの暗く、意識の隅に追いやられ、忘却の途をたどる。
親友たちは皆、訝った。「どうして北朝鮮なんかに。あり得ない」。しかし誤解と推測の域をでないこの隣国の真の姿を伝えることも必要なのかなと思った。それもできるだけ客観的に。
2010年度国家留学基金委員会は、中国国内にある11の高校と相互に交換留学することを決めた。そこに私がいる。高麗航空の飛行機に搭乗した私たち留学生は、4月8日に彼の地を踏んだ。
北朝鮮への留学を知らされたのは、三カ月前のこと。思いがけず知らせを受けた私は、とりあえず荷物をまとめにかかった。北朝鮮で過ごすのは春、夏、秋の三季。気候的には温帯に属するものの、山岳地が多く、底冷えする1月には零下20度から40度にも気温が下がるらしい。用心するにこしたことはない。私はたっぷりとしたダウンジャケットを荷物に加えた。カート二つ分の荷物が重量超過で空港で引っかかる。やむなくシャンプー2本とハンガーをいくつか捨てる。
北朝鮮は物資が少ないという噂から、今回選ばれた留学生たち、とくに女子はいずれもはち切れそうなほど荷物を持ってきていた。どれも生活必需品のたぐいで、担当責任者は当局とかけあって各々の持ち込み荷物の重量制限を30キロから40キロに上げてくれている。それでも間に合わないほどに荷物がある。私たちは融通し合って、互いのカートの中に荷物を振り分けた。
搭乗したのは13時50分。乗客の列に並ぶ、濃い色のスーツを着、左胸に指導者のバッジを付けたのが北朝鮮人だ。私は生まれて初めて北朝鮮の人々を目のあたりにした。彼らにはいささかの笑みもない。
おそらく外国に行くことのできる北朝鮮人は限られた存在なのにちがいない。故国では財力もあるだろうに一様に空港の免税店の大小の紙袋を提げている。
乗客の列に並んでいる最中、1人の北朝鮮人が話しかけてきた。私たちが朝鮮金日成総合大学および金亨稷師範大学への留学生だと知ると、顔をほころばせて「君たちが留学生活を楽しんでくれることを祈るよ」と言った。
飛行機は定刻に飛び立った。高麗航空のCAは、うす紅の頬に肌白く、化粧っ気はなくかわいらしくて親切だった。機内の意匠は旧ソ連の影響が色濃く感じられた。瞬間、私は違う世界に来たんだという何ともいえない思いに包まれた。
真っ赤な制服を着用したCAが機内サービスをはじめた。ミネラル・ウォーター、サイダー、ビールなどの飲み物、そして盛りだくさんの弁当には、ご飯のほかに缶詰の果物やハム、牛肉、鶏肉、ジャガイモがおかずとして添えられている。といって飛行時間はわずかに2時間あまり。窓の外にはさまざまな形をした湖や沼、山火事にでも遭ったような赤茶けた土壌が延々と続く。
畑を耕す農民の姿が確認できるようになった頃、飛行機は平壌空港に降り立った。ターミナルのビルは低く簡素で、ハングルと英語で平壌と書いてあるほか、大きな金日成の写真が掲げてあった。
4月だというのに冷たい風が吹きわたる。私はまるで北朝鮮の記録映画に映る人々の一員となったかのように、自分のなかで時空が錯乱するのを感じた。
申し訳ありません。原文はとんでもなく長く、この先の訳はリクエスト次第の連載ということにさせていただきます。興味がおありの方はどうぞコメント欄にて。
実際に行ってみて本当に物のない国だったのかとか現地の学生達の生活とか聞きたい。
中華視点の北朝鮮見聞なんて始めてです。
でも大変そうなので気長に待つことにします。
間隔を数日から数週間ほど空けてアップしてほしいです。
>ターミナルのビルは低く簡素で、ハングルと英語で平壌と書いてあるほか、大きな金日成の写真が掲げてあった。
飛行機の離着陸の頻度を考えると高くする必要はないでしょうね。
英語で書いてあるあたり空港を利用する人が英語圏を
「敵国の言葉」とするより「最も使われている言葉」と認識している。
写真は「やっぱりね」というところだし。
ちょっと拾っても色々面白いです。
リアルに北朝鮮の空気を吸った感想、聞きたいです

オレは映像優位を信じてて新聞やなんかの写真一枚と簡単な記事なら映像を見せろってタチなんですが、こういう良質な文章だと空気感が伝わってきますね。
是非連載お願いします!
当然リクエストです。
中国-北朝鮮と数少ない友好国からみた北朝鮮の実態はどういう風な感じなのか知りたい。
隠しカメラでの撮影映像が本当の姿。
どんな暮らしかは分かってる。
既に人肉を食べている人もいる。
エンゼルパイ配給のことも知っている。
なんでも知っている。
もういい。興味ない。
まいったか。
よし。今年もこの立ち位置で行こうっと。
でもまあ翻訳はボチボチやってくれれば……。
楽しみにしてます。
楽しみにしていますよ!!!
って言うか、ここで止めるなんてイケズっすよぉ~
ついでにアケオメであります。
続きをお願いします。
いや、見せて下さい。
続きを是非おねがいします!
ものがないので非常に興味深いです。何とか続きをお願いしたいです。
読みたい!
続きを是非おねがいします!
いらんし
いつも面白い内容の記事ありがとうございます。
今年も楽しみにしています。
素晴らしい文章です
是非続きを読みたい。
旅行手記って読んだことないです。続きを読みたいので是非お願いします!
ぜひ日本語訳をお願いします。
特に北朝鮮ものの記事は他での取り扱いが少ないこともあり、大変面白く読ませてもらっています。
今回の留学の記事も是非続きが読みたいです。
続きの翻訳掲載もお願いします!
ぜひ続きをお願いします。
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是非連載お願いします!