2012.01.02 (Mon)
映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 所感

いや、おめでとうという言葉を使うに当たってはいろんな思いもあったりするのですが、とりあえず。
元旦は例年のごとく、深夜二時をまわっての神田明神への初詣。昨年は不幸があったために行けず、わからないのですが、今年訪れてみたところ、例年に況して参拝客の数が多かったように思います。
どちらにしても、元旦の明け方近い参拝は賽銭を投げるのにもほとんど並ぶこともなく快適です。今年はスーパーの釣り銭で貯めた五円玉と十円玉ばかりずっしりと一握り投げてきたりして。
先の大戦の連合艦隊司令長官。エピソードには事欠かず、実在の人物を描くにはその数多のエピソードの何れを選択するかで描き方が変わってきます。今回、映画化にあたって原作としたのは、祖先が山本五十六と同郷の長岡藩士、半藤一利の著書でしたから五十六礼賛になるというのは知れたこと。あとはそれをどう料理して見せてくれるかということに尽きたのだと思います。
数あるエピソードのなかには日独伊三国同盟締結に対して最後まで異を唱えた人物、大艦巨砲主義が趨勢だった時代にいち早く航空兵力に着目し得た先見性、その人格および面倒見のいい人柄をたたえるといった話もあれば、身長160センチという小柄で、戦術級の才能としては経験にも乏しく凡庸、モナコのカジノに出禁をくらったという無類のギャンブル好き、愛人千代子に吐く弱音(坐念ながら今回の映画では描かれていません)、惨敗を喫したミッドウェイで、空母三隻の炎上報告を受けながらも参謀と将棋を差す手をやめなかったというエピソードもあり、話の取り上げ方によっては、まったくちがう人物像が描かれてしまうものを、この映画では、なんと食事のシーンを特化させることによって山本五十六を神格化させているのです。
とにかく、食って食って食いまくる。長岡名産の水餅に山のように砂糖をかけて喰らう。ミッドウェイで大敗を喫した南雲の前で臆することなく茶漬けのどんぶりを喰らう。大和の冷蔵庫ににはパパイヤが好きな五十六のため、山のようにパパイヤが冷蔵されていたというエピソードこそ出てきませんが、それにしても旺盛な食欲で、束の間、国内で暇する五十六は、呆れるほどの食いっぷりのシーンを連ねることによってその健啖が描写されていきます。
CGは日本の技術でもそこそこ見られるようになりました。五十六の乗った一式陸攻がブーゲンビル上空でP-38ライトニングに撃墜されるシーンもそこそこ圧巻です。昔の戦争映画といえば、米練習機のT6テキサンを零戦に見立てて、あとは特撮だったのですから大きな進化かもしれません。
でも、哀しいかな、たとえば往年の佐藤允が唇をへの字に曲げて零戦に乗り込むシーンを凌駕しているかといえば、迫力も何も勝ってはいません。
ちなみにこの映画、軍人はおろか外交官、民間人に至るまでアメリカ人はひとりも出てきません。
日本はどこの国と戦ったのだろうか。いったいどこで日本はまちがったのだろうか。最後まで答えは示されません。思考停止から観客に委ねる、日本映画のいちばん悪いパターンを踏襲してます。
五十六は映画そのものの文脈で徐々に神格化され、死を迎えます。たとえ五十六を神格化するにしてももっともっと心打つ描き方があっただろうにと、至極残念な思いが残りました。
ごめんなさい。というのがひさびさ、映画のレビューなのですが、もしよろしければ、皆さまもお気軽に感想をお寄せくださいね。もし少しでも盛り上がるようでしたら、週イチで読者の方のなかでも映画ファンの方のために、あらたにカテゴリーを設けてみたいと思ったりするのです。
どうぞよろしく願いしあーすっ m(_*_)m
2ゲットなり!
チキータさん、東京なんですね。
更新をまってたずら。
映画は日本人特有の敵を作らないような穏便的作りなのですね
輸入依存の国ではそうなるのかもですかね
敵対して輸入が止められたら・・・
私も年明け1本目の映画として「五十六」鑑賞いたしました。
始めから終わりまで滑ってるなと思いましたが食事のシーンはとても
印象的だった以外特に観るところない映画でした。
まとめると艦隊総司令になるほどの「個人」であっても「国家」の意思には
抗えない、やけっぱちなぽっちの喜劇のように感じました。
終幕に米国民主主義に学べというエピローグが挿入されてますが五十六の
考えかどうかはわかりません。
去年のXmasイヴに独りで観にいったのが山本五十六でした。
自己評価は概ね良好なのですが、物足りなさも感じますね。
五十六をクローズアップした映画だから仕方ないとはいえ
没後から終戦までサクっと削ってしまったのは如何なものか?
あと、新聞社の暴走した側面についてもだいぶ触れてましたが
大本営発表とのつながりが見えず、新聞社のみの偏向報道にしか
見えなかった所は少々釈然としませんね。
映画館では当時を経験したであろう御高齢の観客も散見されましたが
上映後はどこか納得いかずに顔をしかめている様に見えました。
あと当時の兵器にうるせえクソヲタな自分としては(笑
背後から敵機に襲われた零戦がダイブ無しの回避運動してんのはおかしいとか
浅瀬の真珠湾では雷撃が不可能と意見が出るシーンがあるにも関わらず
それを可能にした浅沈度魚雷の開発や超低空飛行訓練について
たいして触れもせず淡々と雷撃を成功させちゃったりとか。
それらが本編を語るには不要なファクターと知りつつも
映像がよく出来ているだけに、惜しさを感じずには居れません(笑
日本海軍の主力空母がズラリと居並ぶシーンはなかなかお目にかかれず
ワクテカしてたりもしましたが(笑
ご無沙汰してます
山本五十六の話題はロシアが千島列島を守るかと言う話題で
盛り上がった事があって久しぶりにコメントさせてもらいました。
ですね。日本を敗戦へ導いた工作員として検証すると、
なにもかもが辻褄が合いますからね。
で、撃墜された偽装をしてアメリカで暮らしたという顛末まで。
歴史の真実は、教科書には絶対書かれないし。
それにしても、日本映画が淋しいですね。
娯楽性を出そうがメッセージ性を出そうが、製作者の考えの芯がぼやけているように思える。
例え、素晴らしいスクリーンプレイが出来ていても、それを修正させるボケが上にいるのでしょうね。
昔の日本映画のほうが素晴らしい。
戦勝国の膨大な嘘を一切批判できない状況では北朝鮮とやってることは変わらないような。
食とは何なのか 先の坂の上の雲でも203高地戦の前の児玉元帥が列車の中でステーキみたいなのを食ってるシーンがありますwあれも必要のない場面じゃないかとw
でも、どう切り取るか?
どこに焦点を当てるか?
それで意味合いは大きく変わってくる。
年末あちこちに貼られていたお話。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1274886467
俺「普段は一食いくら位かかるの?」
彼女「1000円くらいに抑えてるよ」
俺「じゃあ今日は俺が支払い持つよ」
彼女「本当?じゃあ好きなの頼んでもいい?」
俺「いいよ」
男は「1000円」に焦点を当てて1000円なら奢ると言ったつもり。
女は「抑えているよ」に焦点を当てているつもりで言ったつもり。
結果
女は抑えずに注文してあっというまに4000円。
男は4000円を超えたことに怒り、女を置き去りにして店を出る。
事実は一つでも、「与え方」「受け取り方」で誤認させることはできる。
映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」
制作サイドは何を伝えようとしたのでしょう・・・
それがあるから個性が出るのかもしれませんね。
でも個人的には戦犯を神格化することには反対です。
大東亜戦争に参加し敗戦して未だ米国支配の奴隷化国家に成り下げた張本人達をどうして褒められるでしょうか?
結果論ですが、勝てる見込みの無い戦争に官僚や軍部の利権だけで新聞社やラジオを支配下に置き、
国民を洗脳してまで大戦に足を突っ込み国力を疲弊させるよりは日中日露戦争で大陸の支配をし、
連合国とは多少の不利を承知で大国として利口な外交政策を行っていれば大日本帝国は島国ではなかったはずです。
勝てば官軍と言いますが戦犯者にかける情けは一切なく、
戦犯を美化したモノを見る気にもなれないのでTVで放映しても見ないでしょう。
そうなの
ねえ
と観ておりました
多分この映画はTVで見ることになると思うな、ビデオレンタルもしないと思う。
話的には興味あるんだけどね
完全な娯楽なのか、伝えたいなにかがあるのか、よくわからないしなぁ。
なんで彼に焦点あてたんだろうね。今時代ならではかもしれないけど
空気が読めてない作品なんじゃないだろうか。見てないのに批評も何もないけどねぇ。
数え上げたらきりがない、カス映画。
役者陣がかわいそう。
昨日、大震災で日本公開が延期された「BATTLE LOS ANGELES」を観た。
やっぱり映画はこうでなくちゃ!
94分(部下が死を覚悟でヘリから降下してくるシーン)とラスト
(無言のまま休みもとらずに弾薬を用意するシーン)との2回・・・ 涙でた。
戦犯(しかも内戦の)の関羽も孔明も今じゃ神様
つか何を持って戦犯?
君主である天皇?
いやいや、戦争を開始を決定した内閣と議員?
いやいや、命令に従って動いた軍?
いやいや、微々たる満州利権に固執した関東軍?
いやいや、移民政策で外国から反感をかった拓務省?
戦犯も神も紙一重。
誰も戦犯になろうと思っていない。
誰も神になろうと思っていない。
やるべきことをやっただけ。
問題は、どうしてその「やるべきこと」が出来上がったかの過程、背景事情にある。
何故日本は戦争をしたのか。
先ずそれを正しく認識することだ。
そして、戦犯というものをもう一度考えよう。
戦犯とは勝者の都合。
これを言っちゃうと幅ひろいですね^^;
少なくとも日露戦争まで遡るんじゃないかしら
まぁしかたないかw
命を奪い
権力を
握れば神で
なさねば悪鬼
管理人さん
一時期にくらべ、だいぶ良くはなったと思うのですが、
それでもDVDで充分な気がしてしまいます。
大河物は作れないかなぁ。
壮大なスケールの物語がみたいです。
独身の頃は毎月のように観ていたのに。
HEAVENで皆様のレビューを読めるようになったら、しばらく遠のいていた銀幕へと足が向くかも!
楽しみです。
山本五十六といえば、昔勤めていた職場で作っていた所謂一つのビジネス書的な雑誌においては、上杉鷹山と並んで「理想的なリーダー」として扱われていました。
かの有名な、「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」って名言を振りかざして。
そんな印象しかありません。
そして、戦後統治したマッカーサー率いるGHQの洗脳とサヨク。
戦後の日本のあり方、姿勢が今に至るまで一番の罪じゃ!!
あと、ルーズベルトね!
どちらも読んだけど映画は多分別なんでしょう
だから観ない
多少長くてもかまわないのでもうちょっとドンパチした
迫力のシーンがほしかったかな、艦砲射撃も空中戦もとくに空母戦はある程度時間をかけないと何がなんだか分からないかな。
という感じです。
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