HEAVEN

小巍が韋と結婚したのは17歳のときでした。若く美貌の妻、加えて教養でも勝っていた小巍に対し、夫の韋は気おされ、心の安まるときはなかったといいます。

結婚してから広東で働いていた夫婦ですが、やがて小巍が妊娠しました。普通ならばここで喜ぶはずですが、韋はそうではありませんでした。生まれた子どもを眺めては自分に似てないと疑います。
「あるとき突貫の仕事がはいって家に帰れなかったことがあるんだ。で、そんなことがあった次の月に妊娠。おかしいだろ。誰かほかの奴と寝たって疑ったね」韋は述べます。

疑い深い韋が思いついた方法は、我が子をDNA鑑定にかけるというものでした。結果はまぎれもなく２人の子ども。いったんは問題は解決したようにみえます。次に生まれた２人目の子どもは顔立ちが韋そっくりでしたから、韋も言いがかりはつけません。
しかし、2007年、軍隊に入った初恋の男性と小巍が街でばったり出会ったことを知り、再び韋の嫉妬心が頭をもたげます。殴る蹴るの暴行、母親がナイフを突きつけられて脅されたことで離婚を決意した小巍ですが、子どもがいるのだからと母親に止められました。以来、夫婦の間の諍いは続きます。

事件は先月30日午前11時ころに起こりました。
小巍の首をつかんで壁にぶつけた韋は、倒れた小巍の両手を縛り、タオルを口に押し込んだ後に台所にひきずって行って両頬に「下賤」と錐で刻みつけたのです。しかもはっきりとわかるように鍋底の黒い焦げをなすりつけるという念の入れようでした。その後は家に閉じ込め、病院に行かせようとはしません。

しかし翌日、韋の叔父が家に訪れ、看過できずに小巍を病院で調べさせたことから事件は発覚しました。今月３日、小巍は実家の家族に伴われて事件があったことを通報。韋は逮捕され、現在拘留されています。

韋はこう主張しています。
妻には４つのうちから選べと言った。第一に、縛られたままずっと家にいて子育てに専念すること。外に働きに出ることは許さない。第二は、愛人に100万元払わせること。第三は愛人と自分とで裁判所で問題を解決する。第四は顔に傷をつけられ、足の筋を切られる。選んだのは小巍だ。自分は要求されたままにやっただけだ。