HEAVEN

チャバンの妊娠32週齢のソノグラフは、胎児が水頭症であることを示していました。このため医師たちは子宮内でシャント処理を施すことを考えましたが、34歳というチャバンの年齢などを考慮し、取りやめていました。

チャバンは赤ちゃんを失った悲しみとともに、出生後の赤ちゃんに顔も合わせる機会がなかったことについて狼狽しています。「今回が３回目の妊娠なんです。前の赤ちゃんは死産でした。頭の中にお水がたまっているとは聞いていました。でも、ひとつ目の鼻がない赤ちゃんが生まれているとは思いもよりませんでした」
３回妊娠して、チャバンには現在、８歳になる娘ひとりしかいません。

驚くべきことに、このサイクロピア（単眼症）という症例、胎生の初期に全前脳胞症（Holoprosencephaly）により前脳胞が前脳と間脳に分化せず、目と鼻が形成されないといった病症は、胚250につき１つの割合で生じるのだそうです。しかしほとんどは妊娠初期に自然流産し、出生にまで至ることはほとんどありません。（※こちらの数字によると全前脳胞症は、16,000人に１人の割合で出生し、自然流産200例に１例の割合）
母親のアルコール中毒と糖尿病が因子となるともされていますが、大部分は遺伝子の突然変異です。

インドでは、2006年にタミル・ナードゥ州のチェンナイにあるカストゥールバ・ガーンディー（ガンジー）病院で単眼症児が生まれました（下画像）。しかし女児がその後どうなったのかは報告がありません。
その１年前にはロシアでひとつ目の赤ちゃん（右画像）が生まれましたが、出生間もなく死亡しています。プラウダ紙のリポートによると、頭部、肩、背中が濃い毛髪で覆われ、目の上に小さな鼻があったとされています。

インドで単眼症の赤ちゃんが生まれる
単眼症の赤ちゃんと試薬の臨床実験で潤う診療所