HEAVEN

「最近のお見合いは２週前、相手は学校の先生でした。会ったのが午後３時ごろでしたのでお昼をおごることもなく、公園の中を歩いて、ベンチに座っておしゃべりして、30分ぐらいで別れました。彼女に対して感じるものはありませんでしたし、彼女も私に対して感じるものはなかったと思います」

身長は180センチ、四角い顔に二重まぶたといった面相はとくに秀でたところはありません。しかし性格はてきぱきと明るく、経歴に至っては兵役を十数年、上がってからは洛陽市の政府機関で職務に携わり、収入は多く家は持ち家と申し分ありません。何より張自身が自分の条件に対して絶対的な自信をもっているのです。

張によると、今まででいちばん数をこなしたのは１日に８回。そのときは１日中、喫茶店の同じ場所に座って８人の女性とお見合いしたといいます。またいちばん短いお見合いは挨拶だけ。「その娘は、顔中天然痘だらけだったんです」と張は述べます。


張は、お見合いをする前にまず恋愛をしたことがあったか、心を動かされたことはなかったのかという問いにこう答えました。
入隊中に恋愛は３度ほどしました。ですが相手はすべて高官の娘だったこと、その他にもさまざまな要因があってものになりませんでした。
2007年に除隊して、それからお見合い大会みたいなものに出たんです。相手はCAでした。２週間付き合った後に「いっしょにご飯を食べよう」って言われました。で、食事の最中に彼女が急に泣きはじめたんです。訳をきくと「彼氏とケンカしてむしゃくしゃしてお見合いに参加したの。あなたには申し訳ないことをした」って言うんです。彼女は彼氏のもとに帰っていきました」

しかし張にとっては、このことが逆にお見合いの数をこなすきっかけとなりました。お見合い相手の中にだって「いい女」はいるじゃないかと彼はいうのです。
以来、家族や友人、同僚や上役に紹介を頼み、結婚相談所から、はたまたネットの出会い系サイトからも見合い相手を募り、これまでに見合いした女性は、20歳から39歳、職業は教師からエンジニア、役者、看護婦、セールスウーマン、公務員、警官とさまざまな職種におよび、３年間で700人近くに会ったといいます。そしてこの間、彼が１人の女性と付き合った期間は最長はで３カ月間でした。

「2010年にひと目ぼれをした女性がいました。でも顔を合わせて２日後に、彼女が他の男と仲良く手をつないで町を歩いているのを見かけたんです。後で彼女に聞いたら、その日は家でテレビを見てたって言われました。ところが４、５日たって、また映画館の前で彼氏と仲良さそうにしてるのを見たんです」

会う女性にはすべてコレクションしている希少貨幣をあげているので、それだけでも十万元、食事代を合わせるといくらになるかわからないという張。
それでも最近はお見合いの数は減ってきているという彼は、「お見合いは自分にとって事業のようなもの。これまでの経験を生かして「お見合い学校」なるものを開くのが最近の夢」なのだそうです。