HEAVEN

婷婷が重慶で生まれたのは2007年７月のことでした。その婷婷が１歳になった頃、喻は陳というひとりの既婚女性と知り合います。やがて婷婷の母親を追い出した喻は陳を家に呼び寄せて一緒に住むようになり、陳は事実上、婷婷の「継母」となりました。

昨年８月16日。喻は仕事に出かけ、家にいたのはいつものように陳と婷婷です。陳は４カ月の身重でもありました。遊びたい盛りの婷婷が床の上においてあったテニスラケットの上に座るとそれをおもちゃにしはじめました。
「その１日前にも婷婷がラケットの上に座っているのを見て叱ったんです。いったいあなたのおとうさんは娘にどんな教育をしてるのよって。婷婷は私のいうことなんか全然聞いてくれませんでした」陳は述べています。

ここでラケットを手にとった陳は、その柄を婷婷の穿いていた尻割れパンツから陰部に深く突き立てました。大声で泣き出す婷婷。パンツから床から血に染まり、われにかえった陳はあわてて風呂場で婷婷の全身を洗い流し、床を拭いて婷婷を着替えさせ、血だらけになったパンツはゴミ箱に捨てたと供述しています。

夕方、父親に連れられてきた婷婷は地元の診療所から富陽人民病院に送りとどけられました。２度にわたってラケットの枝を深々と突き立てられた傷は陰部を抉り、周辺の筋肉までをも傷つけていたのです。
外科的な修復は可能、しかし将来自然分娩はできないだろうと医師は告げました。


昨日の午後、富陽法院で陳に対する裁判がおこなわれました。お腹の子供を堕ろした陳の顔立ちは美しく、また品があり、とても「義理の娘」を憎む「継母」といったイメージには見えなかったといいます。
しかし、陳は検察の質問ひとつひとつに対してむせび泣いたものの、端から見て涙はそれほど多くは流していなかったようあともいいます。

休廷の時間中、記者団の質問に答えた陳は「あの子との関係は別段悪くなくって、誕生日にはカステラも買ってあげましたのよ」と述べました。しかし「どうして婷婷（の下半身を）を突くなんて惨いことをされたんです？」という問いには何も答えてくれませんでした。

裁判の結果、陳は故意傷害罪で５年の懲役が言いわたされました。