HEAVEN

―CBC.Ca―
列車に飛び乗ろうとして失敗、両足を轢断された女性が、たまたま現場を通りかかった宝石職人のみごとな手さばきで止血を施され、命拾いをするというできごとがありました。

事故は日曜の深夜、ケベック州の北東にあるジョンキエールで起こったもので、女性（20）は男友達と一緒に貨車の屋根から満天の星空を眺めようと計画。ゆっくりと走っていた貨車に飛び乗ったところで足をすべらせ、線路に落ちたといいます。

ここにあらわれたのが、犬を散歩させていて女性の悲鳴を聞いて駆けつけた地元の宝石職人、ロジャー・ソーニェでした。
ソーニェによると、女性は両脚の腿から先を失い、切断面からはおびただしく出血をしていたため、まず止血することを考えたそうです。最初に動脈をなんとかして塞ごうとしたソーニェですが、うまくいかなかったため、指先で動脈に結び目をつくって止血。
その後、近くに落ちていたビニール袋を裂いてより合わせ、ひもを作ると止血バンドの代わりにして彼女の腿に巻き付けて抑制。駆けつけた警察官や救急隊員は、ソーニェのとった処置におどろくと同時にその手先の器用さにも脱帽するほどだったというのです。

ソーニェがわずか数十秒で、動脈に結び目を作り、止血バンドを作って巻き付けたことで女性は失血による死を免れました。

しかし、現場では冷静かつ穏やかにみえたソーニェも、受けたショックからクリニックへ。
「あの場では何も考えなかった。すごいスピードで時間が過ぎていった。でも今になって、線路に散らばった肉、ちぎれた足、そしておびただしく流れる血の場面が目に焼き付いて離れないんだ」
月曜日のカナダ紙のインタビューで答えたソーニェは睡眠薬を処方してもらったことも明かしながら、こうも付け加えました。
「僕は宝石職人なんだ。自分自身を誇りに思うね」