HEAVEN

―NY Daily News―
「恋敵」の女性空軍士官を、ヒューストンからオーランドまで900マイル(約1450キロ)も車で追い、トウガラシスプレーなどを噴射するなどして暴行した元女性宇宙飛行士のリサ・ノワク被告(46歳)の裁判で、ノワクが司法取引を受け入れ、保護観察1年、および地域での奉仕活動などを言いわたされました。

ノワクは車の窃盗や誘拐未遂などで来月フロリダで裁判がおこなわれる予定になっていましたが、ここで有罪となると、ほぼ終身にわたって収監される可能性があることから、強盗および暴行の容疑を認めたもようです。

今回の司法取引で、オレンジ郡巡回裁判所の裁判官、マーク・リュベットはノワクに保護観察1年、地域社会への奉仕活動、カウンセリングの受講および法定費用の負担を命じました。

「恐怖と誤解を与え、事件を起こしたことで彼女に(メディアなどへの)過度な露出により苦しめさせてしまったことは本当に申し訳なく思っています」。
ノワクは法廷でこう述べましたが、被害者のコリーン・シップマン(下右画像)は「彼女は女優です。私を拷問して殺害し、遺体を切断する予定だった筈です」と涙ながらに訴え、ノワクの実刑を求めたといます。
しかし、裁判官はノワクの宇宙飛行士としての国家への貢献を考慮したと述べました。

ノワクは2007年2月、元不倫相手でスペースシャトルのパイロットでもあったウィリアム・オーフェリン海軍中佐とコリーン・シップマン空軍大尉がデートしたことを知って激怒。
シップマンが民間航空機でオーランド国際空港に向かったことを知るや、ヒューストンからオーランドまでの900マイルの道のりを車で走行。途中トイレ休憩を挟む時間さえ惜しみ、おむつを穿いたまま運転し続け、彼女を追いかけました。

オーランド空港の駐車場で車に乗り込むシップマンを捕らえたノワクは窓越しにトウガラシスプレーを噴射、シップマンは辛うじてドアをロックすることができたといいます。
暴行容疑で逮捕されたノワクですが、彼女の車にはBBピストル、ラテックス製の手袋、かつら、ハンマー、手袋、ゴム管、ポリ袋がと折りたたみ式のナイフがあったことから、ノワクがシップマンを誘拐して拷問にかける予定だった疑いがもたれ、第1級殺人未遂容疑で起訴されると元女性宇宙飛行士のスキャンダルとして全米を騒然とさせました。

3人の子持ちでもあるノワクは1985年に海軍兵学校を卒業後、航空工学を学んでNASAに入り、宇宙飛行士としての訓練をうけ、2006年7月、ディスカバリー号で13日間にわたる宇宙飛行のミッションに携わっていました。