HEAVEN

―貴州都市報―
6歳の女児が熱したアイロンや火箸などを尻や唇に押し当てて虐待していた両親が逮捕されました。
10日付けで事件を報じた貴州都市報では、諺「虎毒不食子(虎は凶暴だけれども自分の子は食べない)」を引き合いに出し、わずか6歳の女児を虐待し続けた両親を非難しています。

女児は貴州省畢節市千溪郷に両親といっしょに住む婷婷(6歳)。節城区にある私立学校の就業前クラスに通う婷婷は、入学して2ヶ月間、生傷や青あざが絶えず、クラスを受け持つ徐が訊いても初めのうちは転んだと答えるばかりだったといいます。

29日午前、自分の席にしゃがんで泣いていた婷婷を、仲間からの苛めにあったものと思い、問いただした語文教師の李に対し、婷婷はようやくぽつりぽつりと親から受けた虐待を話しはじめました。
婷婷は父親が熱したアイロンを婷婷の尻に押し当てたために、痛みで腰掛けに座れないでいたのでした。李は婷婷にズボンを脱がせると信じられないような光景を目にしました。婷婷の尻は固まった血と傷で覆われており、潰爛した肉の一部がズボンに引っ付いていたのです。


李は即座に校長に報告。校長は畢節市の婦連(地域婦人連合会)にこのことを届け、婦連の袁佳琳主席は役所の担当部署などの職員を連れて来校しました。
婷婷は頭のてっぺんから足の先まで至るところに傷跡があり、あきらかにアイロンを押し当てたと思われる傷も多数見つかりました。
傷に薬を塗ろうとする袁佳琳の手にすがるように婷婷は泣き叫びながら哀願します。ズボンに引っ付いた肉が剥がされるための痛みでした。

堰を切ったように泣きじゃくる婷婷はその他の虐待も告げはじめました。
「お母さんとお父さんは火鉗(火箸)を赤くしてあたしに火傷させるの。釘の上に座らせるの。テーブルの上で針金であたしを叩くの」。その場に居合わせた人々は、あまりの惨さにみな涙を流したといいます。婷婷を診療所に送った袁佳琳らは、事件を警察に届け出ました。

調べによると、婷婷の両親は父が張周、母が羅梅。ともに畢節市千溪郷瓦窯村の出身です。広東に出稼ぎに行っていた夫婦は今年になって帰郷、4人の子供を連れて畢節城区洪南路にアパートを借りました。
帰郷してからの父の張周は現場仕事で家族の生活をまかないます。4人の子供のうち、上3人は女児。婷婷は次女でした。
警察の訊問に対し、アイロンや火箸などを婷婷の尻や唇に押し当てたことを認めた両親ですが、その動機については、しつけのため、と折れません。
とりわけ母の羅梅は、「宿題もしないし、言うことはきかないし口答えはするし、しつけですよ、しつけ」と、捜査官を激怒させるほどに反省のかけらもあらわさなかったといいます。


近所の人々にいわせると、越してきてからの夫婦の子供の扱いは乱暴で、深夜でもひっぱたかれた子供たちが泣き叫ぶ声が絶えなかったそうです。また、叩かれるときには服を脱がされ、夜は家に入れてもらえなかったこともあるらしく、各部屋に通じる廊下や玄関で眠っていた子供たちをしばしば目にしたそうです。
なかでも近所の人々が最も心を痛めたのは、婷婷が耳に穴をあけられ、そこに毛糸を通されて引っぱられていた光景とのことでした。
またクラス担任の徐が言うには、婷婷は頭もよく、とりわけ字がきれいで宿題のノートもよく整理されていたといいます。

警察では両親の行動は虐待として違法をなすと認定。父の張周に対しては5日間の行政拘留を決めて更に詳しく調査をすすめています。