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―杭州網―
倉庫で寝泊まりしていた従業員男性が、自慰をした後のティッシュの処置に困り、燃やして捨てたことから倉庫が全焼し、760万元(約1億600万円)の損害を出して訴えられました。

8日付けの杭州網によると、昨日、杭州市余杭法院で審理がおこなわれたこの事件は、昨年7月に従業員男性の不注意から出火したもので、会社側では損害賠償として600万元の支払いを男性に求めています。

倉庫が出火したのは7月26日の夜、10時半頃でした。国道320号線沿いにある江南食品市場そばの徳山倉庫の北側ブロックで火災が発生したとの通報があり、現地の消防隊は消防車5台を出動させました。
消防隊の話によると、火の手があがったのは酒類、雑貨を保管した倉庫で、火勢が強いため付近の消防隊が消防車12台の増援をおくり、消火に努めたといいます。しかし、火はブロックの1列、18間の倉庫全体に燃えひろがり、またなかには花火や爆竹を保管した倉庫もあったため、現場には緊張がはしりましたが、翌午前1時には鎮火しました。

明けてその日の午後までかかった現場検証の結果、被害は倉庫18間、約1000平米が燃え、食品を中心とした雑貨類が損失、直接被害だけでも760万元にのぼることがわかりました。死傷者はありません。火元は倉庫のゴミ箱と特定されました。


聴取をうけたのは倉庫で寝泊まりしていた従業員男性の金(26歳)でした。金は江西人、24歳の妻は故郷で野良仕事、出稼ぎの金は1ヶ月前にこの臨平江南食品市場そばにある食品問屋に人の紹介で職を得たといいます。
金は仕事を終えた後の倉庫に2、3週ほど寝泊まりしていたことから、食品問屋の経営者も金を不憫に思ったのか家賃をとりたてることもせず、時間外でもついでのときに仕事を手伝うという条件で場所を提供しました。

金の供述によると、ティッシュを燃やしたのは二度目だったといいます。
妻がそばにいないことから寂しさの募った金は、自分で慰め、その後、処理したティッシュを他の従業員に見つかるのがいやでライターで火をつけ、その燃えさしをゴミ箱に捨てていたのだそうです。そしてこの日、金はティッシュを捨てた10分後にゴミ箱から火があがっているのを見て肝をつぶしました。


昨日の法廷で弁護人は、金は出火には直接の責任を負うが、火が燃えひろがったことについては多くの要素があり、その点に関しては全責任をおうべきではないと主張しました。
つまりは、金の行為は「無知的過失行為」であり、導火線に過ぎないという説を展開したという訳です。

これに対し検察側は、わずかな時間で大火となった火災に弁護人の主張する「導火線」説を認めながらも、起因はあくまで金の行為だとし、損失に対しては責任を負わなければならないと主張。自慰の後始末で600万元の損害賠償を求められた金の裁判はつづきます。