HEAVEN

―北京晨報―
昨日、北京市海淀区の北京三博脳科医院の前の路地で、衣類や身のまわりの品々を段ボール箱にいっぱいに詰めた傍らで「半頭児」の息子を抱いている父親の姿がありました。

父親は30代の侯暁峰。これまで入院していた病院にはすでに10数万元という借金があるため、これ以上入院し続けることはできないのです。
家はとうに売り払いました。これから先、子供を抱えて行く宛のない父親は、路地の壁にもたれてやつれた顔に涙を浮かべます。

息子の名は侯国柱。8歳です。
眉骨から上の頭部右半分がなく、ひからびた大きな傷跡が残るばかりです。

侯暁峰親子は、山東省莒県(キョ県)の農村に住んでいました。2001年、妻は双子を出産、それぞれ侯国梁と侯国柱と名付けました。ところがいたって健康な侯国梁とくらべ、侯国柱はてんかんを患い、それも稀な頑固性癲癇病と診断されました。
父親は2006年に侯国柱を背負って北京を訪れ、北京三博脳科医院で診断を受けました。確診はラスムッセン脳炎という難病。大脳半球が血管腫に覆われる慢性脳炎です。
侯国柱は20万元を費やして3回の手術をうけました。費用は故郷の家を売ったお金と作物を換金してできたお金です。しかしまだ病院側には10数万元の借金が残っているのです。

病院側の説明では治療は成功し、術後、難治てんかん発作はほぼ消滅したということですが、ひと区切りして侯国柱が出院したときに傷口が感染、やむなく頭蓋を半分摘出したということでした。

一昨日、2人を不憫に思ったのでしょう、通りかかった人がひと晩泊めてくれたといいますが、名前は告げなかったそうです。
侯暁峰はこれまで多くの人々に助けてもらったといい、親切にしてもらった人々の名をひとつひとつノートに記しているといいます。「いつか必ず、うけた恩に報いるつもりです」侯暁峰は述べます。


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