HEAVEN

―BBC―
舞台の上で自害する場面を演じていた役者が、模擬刀ではなく本物のナイフを使用、観客の前で自らの喉をかき切るというできごとがありました。

事故は先週末にオーストリア、ウィーン市庁舎前の国立劇場、ブルグシアターで起こったもので、演じられていたのは、スコットランドの女王メアリー・スチュアートをもとに19世紀のドイツの思想家であり、劇作家であるフリードリヒ・シラーが書いた「Friedrich Schiller's play Mary Stuart―フリードリヒ・シラーによるマリア・シュトゥーアルト」。

この劇中で自害するシーンを演じていた役者、ダニエル・フーヴェルさん(30歳)ですが、模擬刀ではなく本物のナイフを使用して喉をかき切り、舞台の上に血が流れ、フーヴェルさんはそのまま床に崩れ落ちました。
観客は最初、特殊効果だと思ったようで拍手喝采。しかしながらフーヴェルさんが舞台から運び出されたときに異変が起こったことに気づいたようです。

オーストリアの警察は調査を開始し、凶器となったナイフには値札が貼られていたことから市内で購入されたものと判明。地元マスコミによると自殺未遂と犯罪の両面から調べを進めているようです。
また病院に運ばれたフーヴェルさんですが、傷は深いものの幸い主動脈は外れており、大事には至りませんでした。ただし彼を診た医師によると、もうほんの僅かナイフを強くあてていればまちがいなく出血多量で死亡していたと推測されるそうです。

翌日には退院したフーヴェルさんですが、同じ役を演じたかどうかは不明ですが、首に包帯を巻き、翌晩の舞台に姿をみせたとのことです。