2008.06.30 (Mon)
貴州省で数万人規模の暴動。公安局舎やパトカーが焼かれる

―zaobao―
30日付け新加坡《聯合早報》によると、貴州省甕安県で28日、15歳の少女が強姦殺害された事件をめぐって警察が容疑者を早期に釈放したことに不満をもった市民数万人が、県政府庁舎やパトカーなどに火を放つなどの暴動をおこしたとのことです。
事件のもととなったのは、甕安県に住む李樹菲(15歳)さんが今月21日の晩、川原に呼び出しをうけたまま戻らず、死体となって発見されたというもの。李さんの家族は少女が殺害された現場にいたとされる容疑者2人を公安に届け出ましたが、公安では2人を逮捕したものの、翌日には釈放。この取り扱いに憤った住民たちの県政府および公安局に対してのデモが暴動に発展したということです。
殺害された李さんの遺体には強姦された跡があり、また殴られたと思われる傷もあったそうです。
動機としては、李さんが今年春におこなわれたテストの最中、答案をカンニングしようとした容疑者の少年をはねのけたことが理由だともいわれ、また容疑者の少年はネットでは副県長の息子だともいわれています。
AFPによるとこの事件では李さんの親戚の教師1人が何者かによって殺害、容疑者の再調査を願い出た学生らも公安職員によって殴打を受けていました。
暴動は公安局舎が約1000名の学生によって一時占拠され、十数台の執法車輛が焼き討ちにあった後、局舎の1階から3階部分までが焼かれました。これに対して公安側は催涙弾などで学生たちに応戦。火が放たれたことから消防車も出動しましたが、学生らは消火栓を止めるなどして鎮火を遅らせました。
暴動の鎮圧にはおよそ1500名の武警およ暴警が出動し、市民1名が死亡したほか200名が検挙されています。
この事件に関連して、新華社ほかポータルでは、貴州省において少女の死因に不満をもった人々が暴動をおこしたと短い記事で報じたものの詳細については触れていません。事件に関する掲示板は閉じられ、また谷歌(中国版グーグル)でも、現在検索結果に制限が設けられています。