2008.06.29 (Sun)
「女体盛り」がクリーブランドにもやってきた

―St. Petersburg Times―
照明の落とされたラウンジにつめかけた人々が息を呑む気配がつたわります。視線を集めているのは黒い着物を着た女性。その着物を肌にそって滑らせると、同じく黒のGストと胸には愛らしい花弁をかたどったパスティーズ。
ラインを強調させるだけにとどめた照明。テーブルの上に横たわった女性の右腿、そして左腿、胸と笹の葉がおかれ、その上に巻き寿司をのせていくのは、シェフのケア氏(35歳)。
さあ、ショータイムのはじまりです。ずらりと並んだ客の頭上でミラーボールがまわり始め、ヒップホップやテクノなど、クラブ系の音楽が流れるなか、皿となった女性のまわりでスキンピーな装いの女性二人が踊り出しました。
寿司をサーブするのはケア氏の役目。アイス・トングに似た「寿司ばさみ」で、女性の上の寿司を客のもつ小さな皿にとりわけるのです。
月初めの火曜日のみにおこなわれるこのイベント。今年3月のミネアポリスに続き、クリーブランドにも「女体盛り」がやってきました。
芸者文化の一環として数百年の昔、日本で始まったといわれる「naked sushi(女体盛り)」は、最近になって急速に広まりつつあります。
フロリダにおいては、ケア氏が、グレイグースウォッカのボトルキープに195ドル(約20700円)もかかる高級クラブ、「ダーティ・マティーニ」でとりいれたのが最初となりました。そのケア氏は、最終的な目標は「Bushi Sushi(武士寿司?)」として、女体盛りビジネスを全米に展開させることだといいます。
Culinary Institute of America(米国の名門料理学校、調理師のハーバード大学といわれる)を1998年に卒業したケア氏は、プライベートなパーティに「naked sushi」をホスティングするサービスをはじめました。ロス、シカゴ、そしてニューヨークととびまわっていたのもこの頃です。
2000年にはフロリダ州のセーフティハーバーで、「ユニバーサル・メコ」という名の店をひらきますが、2年後には氏いわく「経営が悪化したため」、やむを得ず撤退。
再スタートをきった彼は、自分の女友だちにさえも「naked sushi」のモデルを頼み、やがては一回で500ドルを超えるサービスに仕立て上げました。

中国では非衛生的および女性蔑視との理由で(同じく原文のまま)禁止されました。1990年代にアメリカにわたったnyotaimoriは、映画「ライジングサン」で取り上げられてから有名になりましたが、2003年にはシアトルでnyotaimoriを売りものとしていたレストラン、「Bonzai Pub」が婦人団体からの講義をうけて閉店に追いやられるなど、トラブルも生んできました。
しかしながら最近では、こうしたnyotaimoriに対する抗議活動は沈静化。
このイベントの日、「ダーティ・マテーニ」の外でも抗議活動はあったようですが、暴力沙汰には至らなかったといいます。
女体盛りもおひらきとなった11時まで、皿となった女性に触れた客はなく、大声もあがらず、静かにイベントは幕を閉じました。official mood adjuster、いわゆる店の用心棒も出番はなく、なにも問題はなかったと、6フィート5インチ(195センチ)、375ポンド(170キロ)の巨体を揺るがしながら、45歳のマイク・スコットが答えます。
「これまで見たことがないからという理由で反対する人も多いと思う。だけどまずは見てからものを言ってほしい。どんだけ粋だか。きっといちど見ればわかってくれると思うよ」。ケア氏は語ります。(中ほどの画像は参考画像)

米ミネアポリスの日本食レストランで「女体盛り」のサービス開始
nyotaimori あるいは body-sushi
中国の「女体盛り」―1セット74,000円
「女体盛り」を出すシカゴの寿司店