2008.02.23 (Sat)
雪中送炭 : 日本対華援助の30年

―南方新聞網―
元記事は南方新聞網。そこから引用するかたちで中国大手ポータルがこぞって伝えているこちらの記事の題名は、「雪中送炭 : 日本対華援助の30年」。
「両国の歴史関係の特殊性から、ほとんどの中国人は知らずにいますが、1979年から現在まで、日本は中国に対して約2248億元(約3兆6000億円)もの円借款と各種の技術供与、無償援助をおこなってきました。
70年代末、中国が改革に勤しんでいた頃、外国との間にまだ隔たりがあったとき、日本は真っ先に中国に対して援助の手を差し伸べたのです。こうした援助は中国が日本の戦争賠償金を放棄したことに対する感謝の気持ちからだったにせよ、中日貿易の需要を充たしし、中日関係の改善を促しました。また、中国の初期のインフラ整備には多大な貢献をもたらしました。(文中白字はリンク先の騰訊網では赤字)」
ではじまり、長文ゆえ訳しませんが、4ページにもわたる論説は、日本のODAを詳細に解説し、青年協力隊などの民間レベルでの技術供与を取り上げ、駐中大使館の山本恭司参事官らへのインタビューで結んでいます。
記事の題名の「雪中送炭」とは文字どおりの意。各紙の掲示板では、すさまじい量の書き込みで、戦時中日本が中国の国土を破壊した被害額はこんなものでは追いつかないなどと、相変わらず小日本憎しの書き込みも目立ちますが、大手ポータル、騰訊網のいちばんの支持を集めている意見は、
「もしこれが本当だったら、わたしは大部分の中国人が日本人に対してもっている憎しみの感情を払拭すべきだと思う。そしてもしこれが本当だったとしたら、今まで中国のメディアが報じなかったのは、中国人の人間性が低いことをあらわしている」。
また網易でいちばん支持を集めている意見は、
「日本の軍人が投降する姿は、どの中国人と比べても美しい」というもの。
今更とはいえ、まるで手の平を返したような円借款に対する感謝の記事が大手ポータルを中心に大きく取り上げられたのは、うがった見方をすれば、餃子事件に絡む反日分子の懐柔ととれなくもないのですが、ともかく今回日本のODAが中国国民に大きく報じられたのは事実のようです。
(下画像は記事中の画像とその説明文)

「日本の援助を受ける前と受けた後の貴陽の特殊鋼会社の様子。円借款により整備されました」