2007.08.13 (Mon)
キロあたり0.55元(約8円)の「人造卵」を作ってみました

―中原網ほか―
現在、中国の多くの夜店で売られている卵。もちろんきちんとした鶏卵が大部分なのでしょうが、なかには殻から卵黄、卵白にいたるまで「人造」の卵があることはご存じでしょうか。
これらの人造卵の製造費は1kgあたり0.55元(約8円)ともいわれ、河南省鄭州の夜市などで実際に売られているのを食品添加物の専門家、王氏が見つけたそうです。
そこで記者は王氏にこの人造卵を実際に作ってもらうことにしました。
まず最初は卵白です。用意するのは海藻酸ナトリウム溶液。これを攪拌します。すると溶液はわずかに白濁し粘り気が出て、見た目はさながら卵白です。
卵黄はこの海藻酸ナトリウム溶液に檸檬黄食品色素を用いて色づけ。小さな半球状の型にいれて、塩化カルシウム溶液を充たした容器に抛り込みます。待つこと一分。凝固した「卵黄」のまわりには透明な膜が形成され、よりらしくなりました。
卵殻は炭酸カルシウムで作ります。ここに「卵黄」と「卵白」を混ぜたものを流し込み、封をすれば人造卵の完成です。作業にかかった時間は五分にも充ちません。
王氏のいうには、より本物そっくりにするには明礬とゼラチンを添加することもあるそうで、またこのままでは食感がゴム様なのと火を通した場合に備えて、でんぷんや小麦粉などを卵黄に添加することもあるということです。
現在、鶏卵の価格はキロあたり6.5元。海藻酸ナトリウムは1kg42元で、これを水溶して卵を作るとすると150kgの卵が製造できるといいます。つまりは卵黄と卵白の原材料費はキロあたり0.28元。これに卵殻などを加えてもキロあたり0.55元と見積もられると王氏はいいます。
海藻酸ナトリウムは食品添加物として認められていますが、使用料には明確な規定があり、長期にわたってこの卵を食用すると記憶力などの減退も引き起こす可能性があるそうです。
工商局でも今年の初め頃から、この人造卵の製造工場を探していますがまだ摘発には至ってないようです。