2007.06.13 (Wed)
両目のない1歳の男児―隠眼

―揚子晩報―
福建省厦門市同安県で、生まれつき両目のない男児が皮下に埋没していた眼球をあらわにする手術を受けました。
この男児は旭ちゃん。満一歳。両親はそれぞれ、母親が許さんで父親が陳さん。同安県で職を得、働いているうちに知り合った二人が結婚して出来た子供です。
許さんは産前検査も受けましたが全て正常。旭ちゃんは昨年4月3日、帝王切開にて産まれましたが、このとき初めて目がないことに気づいたそうです。通常外からみて目のある部分はつるつるした皮膚で覆われ、やや凹んでいますが眉毛などもありません。鼻や口は正常で目だけがないのです。
厦門大学の付属の厦門眼科センターによると、このような症例は「隠眼(cryptophthalmos)」と呼ばれ、世界でも100数例の報告にとどまり、またいずれも片目に限られ、両目の「隠眼」というのは滅多にみられないそうです。
すでに2万元を借金してこれまでにも大きな都市の眼科をまわった両親の要望で、厦門眼科センターでは旭ちゃんに最初の手術を施しました。つまりは皮下に埋没していた眼球をあらわにするという手術です。ただし眼球が視覚機能を備えているかどうかはまだ不明で、二週後の検査で今後の手術方法を確定したいと厦門眼科センターでは話しています。


右画像は2002年11月11日に四川省成都市で産まれた飛ちゃんです。飛ちゃんも同じく通常目のあるあたりは皮膚で覆われ、のっぺりとしています。
母親の王秀群さんは近親結婚で、それが災いとなったのかそれとも結婚前に務めていた皮革工場で扱った有害物質のせいか、本人もわからないといいます。王秀群さんは子供を殺し、その後自分も死のうとまで追いつめられたそうですが、祖母の必死の制止で思いとどまり、現実を受け入れる決心をしたそうです。
母親が連れていった先の川大華西医院では、五ヶ月の飛ちゃんをみて最初は幼すぎるからと断り、次には皮膚を切開して眼球を露出させたとしても目としての機能を果たすとは考えにくいと断りました。しかし母親の王秀群さんは、光を当てたときに飛ちゃんの左目を覆っている皮膚がかすかに動くのを発見し、この子の目はものを見たがっているのよと譲らなかったといいます。
2003年9月におこなわれた手術では、まず眼球を覆っている表層の皮膚をそれぞれ3センチずつ切開。しかし状況はよくはありません。角膜、結膜、虹彩、水晶体までもがなく、通常六つあるとされる外眼筋が二つしかないことがわかりました。また涙腺もなく、大きく変形した硝子体だけが褐色の液体をともなって埋没しているといったものでした。
それでもまだ感覚のあった左目を残し、右目は将来のために義眼の架台を設け、縫合したわけですが、手をつけられずに残した左目の感覚もおそらく将来的には損失。現在三歳になり、先の6月1日の児童節にも家族ともども動物園を訪れた様子をちらと報道されましたが、外見はそのままのようです。

単眼症の赤ちゃんと試薬の臨床実験で潤う診療所