2007.05.09 (Wed)
シマを描いた動物園のシマウマ―中国人の本物ニセモノ意識

―城市晩報―
「わたしたち家族はこのゴールデンウィーク(黄金周)に動植物公園に行きました。そこで馬に乗せてくれる場所があるということで、子供といっしょに見にいったんです。ところがなかにヘンな馬がいました。体一面に黒いシマ模様がひろがっています。おじさんはこれをシマウマだと言いはっています。わたしたちは子供を乗せて写真を撮るのに5元とられました。あとで同じ動物園のなかで、檻にはいってるシマウマを見つけました。子供が乗ったシマウマはシマウマではありません。いちど調べてくれませんか?」
市民から通報をうけ、記者はすぐに動植物公園にとびました。
どうやら「シマウマ」と称しているのはこちらのようです。記者が近づくと係員がすかさず声をかけてきました。「お乗りになりますか? 一回5元で写真も撮れますよ」
これって本当のシマウマですか? 記者が訊ねると係員は商売にならないと思ったのか、うるさそうに答えました。「はいはい、こいつはアフリカから来たんだ。アフリカから来たシマウマだってんだから本物だ」
わかったようなわからない理屈で係員が応対している間にも、次から次へとお客さんはやって来ます。記者が見ているうちにも、わずか5分で3組の子供たちが写真を撮ってもらっていました。
子供を「シマウマ」に乗せたばかりの母親に訊いた記者は、意外な言葉を聞きました。「たしかにシマウマじゃないわね。でも、子供が喜んでいるんだし、いいんじゃないの」
動植物公園の管理課に問い合わせてみても、答は母親とたいしてちがいません。「いや、私どもにもあれが本当のシマウマかどうか、ハッキリはわからないんですよ」
とどのつまり、こうした遊びを目的にしたもので、ニセモノ本物の区別などいらぬお世話なのかもしれません。晴天の黄金周には愉快そうな子供たちの表情があふれ、さんざめく笑い声。