2007.04.27 (Fri)
誰か、おれにちゃんとした顔くんね?―巨大な顎をもつ双子の少年

―河南報業網―
こちらは、河南省鄭州の鞏義市に住む双子の兄弟、張少鳴くん(弟)と張毅鳴くん(兄)の二人です。二人は一歳半のときから顔面の発育に異状をきたし、あごが長く伸び、鼻筋は落ち込んで、口は開けっ放しです。唇を閉じることができないために歯は年中露出しています。今年16歳になるという二人は、取材に訪れた記者に涙ながらに訴えます。「誰能給俺一張好臉呀?――誰か、おれにちゃんとした顔くんねえかなあ」
記者が訪れたのは、ちょうど二人が食事をしている最中でした。椀から麺を箸ですくいとったお兄さんの張毅鳴は、苦労してその麺を口のなかに押し込みます。下顎の変形で上顎と咬合がきかず、ものを食べるときにはこうしてまず口のなかに詰め込み、それを舌をつかって喉に押し込むのだそうです。
巨大な顎は頭部をも圧迫、脳の発育にも影響を与えました。現在、二人とも知能は5、6歳児に相当するそうで、字は数十ほどしか読めません。またこの顎のおかげで発語は困難をともないます。
就学年齢になった村の子供たちが学校に行きはじめるのを見た二人は、嘲笑されても学校に通うことを選びました。今ではすっかり慣れた「大臉孩―大きな顔の子」と呼ばれても、家でぼうっとしているよりはいいと口を揃えます。
父親の張根平さんの話では、夫婦ともに小学校の教師でいわば職場結婚。二人は妻が40歳になって生まれた子供で、おっぱいが足りなかったため、出産一ヶ月後に粉ミルクに切り替え、以後二歳まで粉ミルクで育てたそうです。ミルクは村の安いミルクを買っていたのですが、それが原因と考えられなくもないとのこと。
また医者の診断では、骨繊維異様増生症。以前とりあげたこちらの男性と同じ症例のようです。
記者がカメラをかまえると、お兄さんの張毅鳴の目に涙が浮かびました。訊くと、二人はこの容貌ゆえか、いままで両親に写真を撮ってもらったことがなかったそうです。
「待ってて」。張毅鳴はそう言うと家のなかに駆け込みました。やがて出てきた少年は鮮やかなスポーツウエアを身にまとっています。そして汚れのついていた弟のシャツも替えさせると、記者の前で手に持った櫛で髪をとかしてみせました。