2007.04.10 (Tue)

婚約者がエイズと知った途端、蒸発した彼氏、絶縁する親族

click!―広州日報―
五年間の恋愛、同居を経て、めでたく結婚にいたったカップル。ところが結婚前の健康診断で女性がHIV陽性と診断されました。これを聞いた男性は取り交わした愛の痕跡をすべて持ち去り、こっそり行方をくらましました。
実家にもどろうとしても、両親は電話すら受け付けません。友人もいつの間にか連絡がとれなくなり、多大な入院費用はそれまでやりくりして貯めたお金でも足りず、いまでは計算書ばかりが女性の枕許にうずたかく積まれているといった状態。
年々増え続けている中国のエイズ患者。入院患者のなかですら、その1/4はこうして家族にも見捨てられているというのが現状のようです。

阿芬さん(28歳―仮名)が、広東に出てきてすでに十数年の月日がたちました。初めて職を得たのはシンセン、後に梅州に移りました。実家が貧しかったことと、下に弟二人がいたため、女性である彼女は中学を中退し、広東に出てきたそうです。
最初は食べるにも必死だった彼女は、やがて仕事にも慣れ、生活にも慣れた頃、梅州出身の男性と恋に落ちました。同居をはじめた二人はお互いの実家にも何度か行き来し、結婚は頃合いをみてということでした。

貧しく生まれ育った彼女がむかえた人生の絶頂期から、奈落にたたき落とされたのは梅州防疫センターに婚前健康診断に訪れた後のことです。診断結果は、阿芬さんがHIV陽性。彼氏は陰性でした。可能性があるとすれば、シンセンにいた当時、交通事故に遭って輸血をうけたこと。検査結果に愕然とした彼女は、それでもこのまま彼氏は仕方なしにでも自分を受け入れてくれるのだからと、妻として一生懸命彼氏に尽くそうと自分に言い聞かせたそうです。
しかし検査の結果が出て数日後、仕事から家にもどった彼女は彼氏が家を出ていったことを知りました。
彼氏は彼女と関わりあったすべての痕跡を拭おうとしたのか、部屋には二人でとった写真、交わしたプレゼント、手紙に至るまですべて持ち去られ、連絡をとろうとしても携帯の番号も変えられていたといいます。

阿芬さんはこのところ風邪をひきやすくなったことに気づいていました。それでもそれがまさか、HIV感染によるものとは思ってもみませんでした。彼氏が出ていって失意のどん底のなか、仕事を辞めることはできません。今度はまさに自分のため、診察代がいくらかかるかわからないからです。
「毎日微熱があって、ふらふらして、それこそ歩いていて今どっちを向いてるかわからない」状態だったと語る阿芬さん。あちこちの病院をまわって、最終的にここ、広州市第八人民醫院にたどり着いたのだそうです。この間数ヶ月、体重は50キロから35キロにまで落ち、工場と店員をかけ持ちしながら、多いときで月に千元(約16,000円)稼ぎ、結婚資金として貯めていた彼氏が出ていく前の貯金とあわせて、2万数千元貯めた彼女でしたが、そのお金も二ヶ月の入院ですべて使い果たし、いまでは枕許に病院の勘定書が溜まるいっぽうだといいます。

「両親は実家にもどることを許してくれません。帰ってこれないように斧で脚を叩き切るとまで言うんです。それ以来電話も受け付けません。前はあれこれよくしてくれた彼氏の実家にも、もうウチには関係ないと言われました」
インタビューする記者の前で、喋るのにも肩で息を吐きながら絶え絶えに話す彼女。しかしとりあえずの入院費だけでもなんとか捻出しようと、知人などのつてを頼って電話をかけることを怠りません。一度「懲りた」彼女は、自分がいまエイズで入院中ということは言いません。

記者 : 今どんなことを考えていらっしゃいますか?
阿芬 : 昨日、屋上にあがったとき、このまま飛び降りて、すべて終わりにしたいと思いました。でも、まだ生きていたいという気持ちのほうが強いんです。
記者 : 死を怖れますか?
阿芬 : 死ぬことは怖くありません。それとこんな幽霊みたく生きているのも厭です。あの人を恨みます。天地の果てまで追って必ずや探し出します。…五年間もいっしょに暮らして、あの人に尽くして、いま電話すらないんです。こうなることがわかっていたなら、エイズなんかだと言わなければよかったと…。

広州市第八人民醫院の医師の話では、阿芬さんは症状にやや改善がみられ、一、二ヶ月後には自宅療養に切り替えられるそうです。しかし退院して後、すぐに彼女が直面するのは経済的なひっ迫。加えてストレスに耐えなければいけません。この病院で入院加療した重篤のエイズ患者は十年前には10-20例だったのが、昨年一年だけで280例に及びました。しかしながら入院患者のおよそ1/4は親族に見捨てられ、窮しているのが現状だそうです。なお広州市では今年4月から、結婚するカップルに対し、無料のHIV検査を実施しているそうです。

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