2007.02.26 (Mon)
家族6人を斧で斬殺した次男

春節初七、お正月もまだ七日目を迎えたばかりという中国は吉林省の長春市で一家六人が斧で斬殺、次男が犯人として逮捕されるという事件がありました。
殺害されたのは、長春市農安県朱園子村に住む董長青さん(63歳)、その妻(60代)、長男(40代)、長女(30代)、長女の娘(10代)、次女(20代)の六名。 董さん宅では、長男は結婚しておらず、長女は離婚して娘とともに実家にもどり、次女と犯人の次男、剛(29歳)をまじえて七人暮らしでした。
剛は、初級中学卒業後定職には就かず、かといって家の野良仕事は手伝わず、賭け事やビリヤードなど遊興する金は親にたかり、奔放な生活を送っていたそうです。 もちろん結婚はしていません。 日頃の生活態度から両親とのあいだに軋轢が生じた剛は、春節のあいだにも両親や兄弟たちから罵られ、これが家族殺害の動機となったようです。
事件は、年があらたまって七日目の24日、家族と朝飯をともにした剛がすっくと立ち上がって大椀に白酒を注ぎ、一気に飲み干したことから始まります。
剛が何を考えていたのかはわかりません。 ただ日頃抑圧されていた鬱憤を晴らすかのように喉仏を上下させて白酒を流し込む剛の態度に呆れたのは家族でした。
まずは母と長男が用事で出かけた後、父親と剛との間で口論がはじまります。 諍いは取っ組み合いとはならず、その場を逃げ出した剛と追う父。 しかし台所に逃げ込んだ剛の目にはいったのは斧でした。
いまや60代の父を前にして口論の末、逃げざるをえなかった三十まぢかの男の恥と、なにかといえば罵倒され続けた積年の恨みが頭をもたげます。 斧を手にとった剛は父に向かって斬りつけました。
次いで止めにはいった妹と姪を殺害した剛はもう止まりません。 用事をからもどった母と長男をやはり斧で斬殺、最後に長女を殺害して逃亡しました。
惨状は農機具を借りにきた近所の村人によって発見されました。 董さん宅は村のなかでも裕福な家庭だったようです。 住まいも相応に広かったようですが、その至る所に血だまりがあり、いずれも頭部が割られた六名の斬殺体。 あまりの惨状に腰を抜かしながらも村人は警察に届け出たのが夕4時。
村人の証言で悲鳴が聞こえなかったことから、複数の犯人も考えられるとして、警察ではさっそく60余名という人員を配置、非常線をはります。 明けて25日午前2時、現場にもどってきたのが剛でした。 自らのしでかした事の重大さに非常線をくぐって忍び込んできた剛は自殺をはかったそうです。 しかしすぐに取り押さえられ、犯行を自供しました。